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原爆で焼失 桜並木復活 広島・二葉の里 NPO要望で実現

 広島市東区の二葉の里地区に、原爆で焼失した桜並木が復活した。かつて広島東照宮の門前にあり、江戸時代から人々を楽しませた。地元のNPO法人が7年前から市に要望を重ね、ことし2~3月に植樹された桜の若木が花を咲かせた。

 土地区画整理事業が進むJR広島駅北側の二葉の里。中央部を南北に貫く道路の東側歩道に7本、西側歩道に11本、ソメイヨシノが20メートル間隔で並ぶ。

 広島東照宮近くの桜並木については、約200年前の江戸後期に完成した広島藩の地誌「芸藩通志」にも称賛するくだりがある。

 原爆で焼けた後も、名残惜しむ声があった。地元住民たちが2006年、NPO法人「二葉の里に桜並木を復活させる会」を結成。要望を受けた市と、一帯の道路整備に当たる広島高速道路公社が協議して植樹を決めた。

 同会の田辺良平理事長(78)は「市民の新たな憩いの場になればうれしい」と話す。地元のボランティアガイドたちが28日午前10時から、桜並木の散策会を開く。無料。雨天決行。(岡田浩平)

(2013年3月23日夕刊掲載)

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