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原爆供養塔の名簿 遺族を待つ 全国で掲示

 平和記念公園(広島市中区)にある原爆供養塔に納められた原爆死没者約7万人の遺骨のうち名前が分かっていながら引き取り手のいない814人の名簿が17日、全国各地で張り出された。10月末まで掲示し、遺族からの連絡を待つ。

 名簿はB1判とB2判の2種類あり、いずれもポスター形式。「遺族を捜しています」という呼び掛け文の下に五十音順で名前を記し、一部に死亡時の年齢や住所が添えられている。

 広島市内の掲示先は全8区役所やJR広島駅など計192カ所。広島バスセンター(中区)に張り出された名簿を見ていた会社員金子雅彦さん(60)=中区=は「被爆死した親戚の遺骨が見つかっていないと両親から聞いた。名簿があるのを初めて知り、捜したが名前はなかった」と話した。

 市は1968年に名簿を公開し、85年から毎年、全国発送を始めた。2017年11月以降、遺骨が引き取られたケースはない。市原爆被害対策部調査課は「一人でも多くの遺族に遺骨を届けるため、どんな情報でも寄せてほしい」と呼び掛けている。同課☎082(504)2191。(山下美波)

(2019年7月18日朝刊掲載)

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