×

ニュース

[2019参院選] 9条改正 反対姿勢50.6% 広島 前回に続き過半数 本社電話世論調査

 中国新聞社は17日、参院選について広島、山口両県で実施した電話世論調査の結果をまとめた。憲法9条の改正について、広島では反対姿勢が過半数となる一方、山口では反対姿勢と賛成姿勢がほぼ並んだ。広島では核兵器廃絶に向けた日本政府の取り組みの評価が割れ、山口では国が萩市で計画する地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の配備計画への賛成姿勢が反対姿勢を上回った。(木原由維)

 安倍晋三首相が自衛隊明記案を提唱する憲法9条の改正で、広島の反対姿勢は50・6%だった。2016年の前回選の同じ時期は50・2%で、引き続き改正に反対する声が根強い。今回の内訳は「反対」が31・2%、「どちらかといえば反対」が19・4%。「反対」はやや割合を下げた。

 山口の反対姿勢は43・6%で、前回選の44・1%と比べて0・5ポイントの微減だった。賛成姿勢は4・3ポイント増の42・7%。内訳は「反対」が25・1%で最も多く、「どちらかといえば賛成」が23・8%で続いた。

 米国が核爆発を伴わない臨界前核実験を続けるなどの国際情勢の中で、広島では核兵器廃絶を掲げる日本政府の取り組みへの評価を聞いた。評価する姿勢は46・7%で、前回選の64・6%と比べて17・9ポイント落ち込んだ。核兵器禁止条約について署名・批准しない方針を示す政府の姿勢が影響した可能性がある。評価しない姿勢は39・4%だった。

 山口では「イージス・アショア」配備への賛否を聞いた。防衛省は北朝鮮の核・ミサイル開発に備えるためとして、萩市の陸上自衛隊むつみ演習場を配備候補地の「適地」と判断し、地元首長や住民への説明を続ける。賛成姿勢が46・3%と、反対姿勢の39・1%を7・2ポイント上回った。

 参院選の争点として最も関心のあるテーマは、両県で「年金や医療など社会保障」がトップとなり、関心の高さがうかがえた。広島では31・2%、山口では33・0%の人が選んだ。広島は「消費税などの税制」が2番目、「経済政策」が3番目となったが、山口は2番目と3番目が逆だった。

 参院選について、広島で「関心がある」としたのは66・1%と、前回選の71・8%と比べて5・7ポイント下がった。山口は64・3%で、9・0ポイント下がった。投票率の低下を含めた有権者の政治離れをどう食い止めるかが、あらためて問われる。

 ≪調査の方法≫広島、山口両県内の有権者を対象に、14~16日の3日間、コンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかけるRDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)法で実施した。実際に有権者がいる世帯にかかったのは、広島県内が1302件、山口県内は1079件。このうち、広島は1016人、山口は818人から回答を得た。

(2019年7月18日朝刊掲載)

関連記事はこちら

年別アーカイブ