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被爆と心筋梗塞 医師が「起因性」 原爆症訴訟控訴審

 被爆の影響で心筋梗塞などを発症したのに原爆症と認めないのは不当として、被爆者11人が原爆症の認定申請の却下処分の取り消しを国に求めた訴訟の控訴審の口頭弁論が18日、広島高裁であった。原告側が請求した医師の証人尋問があり、被爆と心筋梗塞の起因性について証言した。

 証人は、核戦争防止国際医師会議(IPPNW)のメンバーで大阪健康福祉短大学長の真鍋穣医師(67)。弁護側の質問に「放射線の影響がなくても発症していたといえるような特段の状況がなければ、放射線起因性を考えるべきだ」とし、心筋梗塞を発症した好川嘉昭さん(81)=広島市佐伯区=たち原告3人について検討。被爆距離や喫煙歴などを踏まえ「放射線起因性が考えられる」と述べた。

 反対尋問で、国側は3人の喫煙歴や年齢が心筋梗塞を発症する危険因子になるかと質問。真鍋医師は「一般的にはなる」と答えた。

(2019年7月19日朝刊掲載)

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