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平和の継承 子の姿に込め 「ヒロシマ・アピールズ」ポスター発表

 日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)広島地区と広島国際文化財団、ヒロシマ平和創造基金は18日、核兵器廃絶や平和の尊さを訴える被爆74年版の「ヒロシマ・アピールズ」ポスターを発表した。グラフィックデザイナーで被爆2世の澁谷(しぶや)克彦さん(62)=東京都目黒区=が制作。母親に抱かれた子どもをモチーフに平和の継承の大切さを訴えている。

 タイトルは「希望」。原爆の光線をイメージした青色の無数の直線で、親子やツバメの親と卵の姿を浮かび上がらせている。裏面は反転した図で、子どもの顔を赤色にした。広島市役所で会見した澁谷さんは「子どもの姿を通じて被爆2世や3世の漠然とした不安や、未来へのエネルギーを表現した」と説明した。

 ポスターを受け取った松井一実市長は「デザインを通じた平和の価値の伝授は重要。世界中にアピールしたい」と感謝した。

 ポスターは22作目。B1判で2千部刷り、1枚1080円で原爆資料館(中区)などで販売するほか、市の公共施設に掲示する。10月からは歴代22作品を展示する初の海外巡回展も企画している。(永山啓一)

(2019年7月19日朝刊掲載)

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