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豪生徒ら大久野島訪問 毒ガス工場跡など見学

 オーストラリアの中学・高校生が18日、修学旅行で竹原市忠海町沖の大久野島を訪れ、旧日本陸軍の毒ガス工場の関連遺跡などを見学した。ウサギの島として注目され外国人観光客は増えているが、海外からの修学旅行生は珍しいという。

 一行は同国東部のヒルズ・グラマースクールに通う12~17歳の31人。忠海地区を拠点に郷土史を研究する新本直登さん(67)の案内で、発電所跡と資料館を巡った。学徒動員で若年者も製造に携わっていた点や、今も多くの人が肺の病気などの後遺症に苦しんでいる事実を学んだ。

 アビナブ・アナントさん(12)は「大好きなウサギが出迎えてくれる心安らぐ島だけど、毒ガス製造に同年代の子どもも協力させられていたと知って悲しい気持ちになった」と話した。

 31人は6月末に来日して京都や四国を巡った後、7月9日から広島県に移って平和記念公園(広島市中区)などを見学。この日は大崎上島町で櫂伝馬(かいでんま)の体験もした。19日に帰国する。(山田祐)

(2019年7月19日朝刊掲載)

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