×

ニュース

原爆症訴訟の意義学ぶ 東京で勉強会 「フクシマも注目」

 原爆症認定訴訟について学ぶ会が、東京都内であった。原告の被爆者や認定審査の結果を待つ申請者たち約70人が参加し、現行の認定制度の問題点や訴訟の意義などを話し合った。

 東京都原爆被害者団体協議会(東友会)の主催。飯田マリ子会長は「高齢の被爆者に残された時間は少ない。実態に合った制度に変えないといけない」とあいさつした。

 東京地裁での訴訟を担当する弁護士が講演した。約20年にわたり訴訟に関わる竹内英一郎弁護士は「世の中に被爆の実相を伝え続けたことが国を動かしている」と解説。厚生労働省が2008年に認定基準を緩和した経緯などを振り返った。

 田部知江子弁護士は、福島第1原発事故の被災者が訴訟に注目していると指摘。「勇気を出して闘うことで、福島の内部被曝(ひばく)の議論にも影響を与えられる」と述べた。

 厚労省の原爆症認定制度の在り方に関する検討会の行方も話題になった。新たな制度の創設を求める日本被団協の委員と、見直しを主張する委員との溝が埋まらない現状を受け、参加者から「最終的にどうなるのか」と懸念の声が上がった。

 東京地裁には11年12月以降、08年の新基準で認定申請を却下された被爆者21人(うち2人は遺族)が処分取り消しを求めて提訴。東友会によると、さらに10人が提訴を検討しているという。(藤村潤平)

(2013年3月25日朝刊掲載)

年別アーカイブ