×

ニュース

小中高一貫 「平和ノート」 広島市教委が新プログラム 

 広島市教委は26日、2013年度から市立の全小中高214校で平和教育プログラムを始めると発表した。被爆体験の継承が課題となる中、12年間一貫で平和教育の体系化を図る。教材には学齢に合わせた「ひろしま平和ノート」を活用する。

 ひろしま平和ノートは習得学年を3年刻みで分けて4種類作った。いずれもA4判、カラーで29ページ。絵や写真を多く使う。昨年6~9月にモデル校10校で試験的な授業をし、構成を練り直した。

 小学1~3年の教材は生命の尊さを伝えるのが狙い。被爆後の広島でたくましく生きる少年の姿を描いた漫画「はだしのゲン」も登場する。小学4~6年は被爆地復興にテーマを広げ、中学は世界平和の課題、高校では平和実現へ向けたヒロシマの役割を学ぶ。

 被爆ピアノの演奏を収録したDVDも活用する。各学年とも年3時間をプログラムの授業に充てる予定だ。

 市教委の10年の調査では、広島に原爆が投下された年月日と時刻を「1945年8月6日午前8時15分」と解答できた市内の小学4~6年は33・0%にとどまった。市教委指導2課は「平和について自分で考え議論できる子どもを育てたい」としている。(山本乃輔)

(2013年3月27日朝刊掲載)

年別アーカイブ