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ヒバクシャ署名 応じず 山口知事あらためて意向

 山口県の村岡嗣政知事は7日の定例記者会見で、核兵器禁止条約の締結を全ての国に求める「ヒバクシャ国際署名」に応じない考えをあらためて示した。主催団体が設けた2020年の期限が迫る中、「核兵器禁止条約の交渉に参加していない政府のスタンスに沿った政治判断だ」と述べた。

 村岡知事は、総務省官僚時代の02~05年に被爆地の広島市へ出向し財政課長を務めた。「被爆者の思いは理解しているが、手法はいろいろなやり方がある。政府の考え方も理解しており、署名しない考えは変わらない」と述べた。

 ヒバクシャ国際署名を巡っては、島根県の丸山達也知事が7月下旬に署名に応じたことを表明。これまでに広島、鳥取を含む20府県の知事が署名している。

 山口県原爆被爆者支援センターゆだ苑(山口市)の岩本晋理事長は「被爆者が多い山口の知事として署名しないのはおかしい。被爆者が減りゆく現状を重く受け止め、一日も早く応じるべきだ」と苦言を呈す。(原未緒)

(2019年8月8日朝刊掲載)

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