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折り鶴ドレス 祈りをまとう 原爆の日、ファッションショー

 原爆の子の像(広島市中区)にささげられた折り鶴を再利用したドレスなどを披露するファッションショーが原爆の日の6日、中区のJMSアステールプラザであった。「平和な世界になりますように」との願いを胸に、被爆3世、4世の子どもたちもモデルを務めた。(文・福田彩乃、写真・藤井康正)

 ひときわ注目を集めたのは、広島市から譲り受けた折り鶴を縫い付けたアイテムだ。1万羽を使ったドレスをまとった被爆3世の道上小6年瀬戸紬愛(ゆまな)さん(11)=福山市=がターンすると、色とりどりの折り鶴がふわりと広がる。観客から大きな拍手が送られた。希望を表す星や、愛情をイメージさせるハートをあしらった衣装も相次いで登場した。

 ショーを主催したテンボデザイン事務所(東京)の呼び掛けで参加したモデルは30人。大半は子どもたちで、被爆3世、4世やダウン症など障害のある子どもも舞台に上がった。自分たちの考える「平和」についても一言ずつ発表した。「ダンスができること」「みんなが長生きすること」―。素直な言葉で思いを伝えた。

 1万羽のドレスでフィナーレを飾る大役を終えた瀬戸さんは「被爆したおじいちゃんから、いろんな人に助けられて大きくなったと聞いた。私も大変なときは助け合う気持ちを大切にしなくちゃいけないと思う」と話した。

(2019年8月10日朝刊掲載)

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