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国際色豊か 祈りの輪 ひろしま盆ダンス

 過去の記憶を継承し、平和な未来へ―。広島市中区の旧市民球場跡地で10日に始まった「ひろしま盆ダンス」では、世界各国の若者や観光客が踊りの輪に加わった。国際色豊かな会場には、国境や文化、世代を超えて原爆犠牲者を悼み、平和への願いが広がった。

 同市で開催中の「青少年国際平和未来会議ヒロシマ」(市などでつくる実行委員会主催)の参加者約40人は浴衣姿で踊りに加わった。日本をはじめとしたアジアや欧州、中東の計11カ国の高校生や大学生たち。海外の若者は、周りで踊っている市民の振り付けを見ながら両手を左右に揺らしたり、回したり。互いに顔を見合わせ、笑顔が広がった。

 核兵器保有国のフランスから参加した高校生イネス・ラケアルさん(17)は「国を超えて平和への思いを共有できることを再認識した」。日本との関係が悪化している韓国の大学生イ・ヒョンジュンさん(21)は「さまざまな国の人と踊り、争いのない社会を私たちが築かなければ、と思った」と力を込めた。同会議の参加者は12日まで、核兵器廃絶や平和について議論し、理解を深める。

 会場には、折り鶴の作り方を紹介するコーナーも設けられた。市民ボランティアが世界各国の観光客たちに英語で折り鶴に込められた平和への願いを伝え、一緒に鶴を折った。

 ボランティアを務めた広島市立大4年小田敦子さん(21)は「踊りや折り鶴を通じて平和を願う広島の思いが世界に広がってほしい」と願った。(小林可奈)

(2019年8月11日朝刊掲載)

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