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慰霊碑説明板を刷新へ 11月の法王訪問 心のおもてなし 広島西RC

 広島西ロータリークラブ(RC、斉藤昭一会長)は、平和記念公園(広島市中区)「平和の池」に並ぶ原爆慰霊碑の説明板を新たに製作し、10月末に取り替える。11月の広島訪問が見込まれるローマ法王フランシスコへの歓迎の意を込め、公園を管理する市に寄贈することにした。

 平和の池の水中に並べているガラス製(縦60センチ、横90センチ)の8枚。日英のほか、ロシア、フランス、ドイツ、イタリア、中国、韓国の各言語で、「原子爆弾によって壊滅した広島市を 平和都市として再建することを念願して設立した」などと慰霊碑の由来や碑文の意味を紹介している。

 現在の説明板は、2008年に主要国(G8)下院議長会議に合わせて広島、山口両県のRCが共同で設置したもので、経年劣化により文字が読みにくくなっている。新たな説明板は、レーザー彫刻で文字を刻むことにより、気温の変化に耐え半永久的に文字の鮮明さを保つという。

 広島西RCの創立50周年記念事業の一環で、広島市立大芸術学部の吉田幸弘教授(58)に協力を依頼。素材や工法の検討を重ねた。先月末、中村哲朗実行委員長(71)たちが試作品を確認。製作作業に入った。総事業費は約420万円。

 ローマ法王の広島訪問は、故ヨハネ・パウロ2世が1981年2月に原爆慰霊碑の前で平和アピールを読み上げて以来2回目。被爆2世でもある中村委員長は「多言語の説明板は、国内外の人にヒロシマの心を伝える優れたツール。真新しい説明板でローマ法王を温かくお迎えしたい」と話している。(桑島美帆)

(2019年8月12日朝刊掲載)

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