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ポーランドで平和の調べ 広響、国交100周年を記念

 日本とポーランドの国交樹立100周年を記念し、広島交響楽団とワルシャワ市のオーケストラによる合同コンサートが17日(日本時間18日)、同市のフィルハーモニーホールであった。秋山和慶・広響終身名誉指揮者がタクトを振り、世界的ピアニストのマルタ・アルゲリッチさんと協演。平和への祈りがこもった熱演に、満席の約1100人が総立ちで拍手を送った。(ワルシャワ発 西村文)

 約2週間にわたって開催中の「ショパンと彼のヨーロッパ」国際音楽祭(国立ショパン研究所主催)のメインコンサートの一つ。広響の楽団員21人が、地元の楽団シンフォニア・バルソビアとともに、伝統の舞台に上がった。

 まず、リストのピアノ協奏曲第1番にアルゲリッチさんが登場。合同オケと息もぴったりに力強さと詩情あふれる音色を響かせ、聴衆を熱狂させた。後半はベートーベンの交響曲第9番。熟練のタクトが紡ぐサウンドと合唱で、「人類愛」を高らかに表現した。クラシック音楽ファンのヘンリカ・ボイティシュコさんは「2楽団の協演は新鮮だった。素晴らしい演奏」と絶賛していた。

 現地を訪問中の松井一実・広島市長も鑑賞。会場では広島市からの平和のメッセージが配布された。公演に先立って、ワルシャワ市が計画する音楽専用ホールの建設予定地を視察したほか、アルゲリッチさんに「ひろしま文化大使」の委嘱書を手渡した。

(2019年8月19日朝刊掲載)

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