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核なき世界 若者88人探る 32ヵ国・地域 広島でフォーラム

 日本を含む32カ国・地域の高校生たち88人が広島に集い、核兵器のない世界の実現を探る「ひろしまジュニア国際フォーラム」が20日、4日間の日程で始まった。広島県が広島市中区の広島国際会議場を拠点に開き、初日は被爆体験を聞くなどした。23日に代表者8人が、実現への道筋を「広島宣言」として発表する。

 アジアや欧米などから招いた海外の高校生31人と公募などで選んだ県内外の高校生51人、県内に留学中の大学生6人が参加した。初日は、原爆資料館(中区)を見学して原爆慰霊碑に手を合わせた後、爆心地から2・4キロの牛田町(現東区)で被爆した小倉桂子さん(82)=中区=の話を聞いた。

 小倉さんは、自身の体験を絵に仕上げた基町高の生徒の作品を示し「肌が焼けただれた人が橋の上に連なっていた」などと惨状を振り返った。生徒の作品づくりを引き合いに「核兵器のない平和な世界に向け、皆さん一人一人ができる役割を考えて」と呼び掛けた。

 メキシコの高校2年ヒメナ・ビジャゴメスさん(16)は「原爆被害の悲惨さは想像をはるかに超えていた。戦争の源である暴力や怒りの感情をどう減らすかを考えたい」と話した。フォーラムは毎年開き、ことしで4回目。参加者は期間中、核兵器廃絶と復興・平和構築をテーマに討論を重ねるほか、有識者の講義も聴く。(樋口浩二)

(2019年8月21日朝刊掲載)

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