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着艦資格訓練を実施へ 岩国艦載機 15日ごろから4日程度

 中国四国防衛局は13日、米軍岩国基地(岩国市)の空母艦載機のパイロットによる着艦資格取得訓練(CQ)が15日ごろから4日間ほど実施されると市と山口県に伝えた。通常はセットで行われる事前の陸上空母離着陸訓練(FCLP)はないという。防衛局は「CQの実施基準は米軍の運用に関わるため、詳細をつまびらかにするのは困難」としている。

 在日米海軍司令部(神奈川県横須賀市)や防衛局の従来の説明では、艦載機のパイロットは最後の着艦から30日を迎えた場合、地上の滑走路を甲板に見立てて離着陸を繰り返すFCLPが必要となる。CQはFCLP後の10日以内の開始が求められ、九州沖で空母への離着艦を重ねる。

 艦載機を載せる空母ロナルド・レーガンは8月24日に母港の横須賀基地(横須賀市)に帰港。同行していた艦載機も同時期に岩国基地へ帰還した。防衛局によると、米側からは「米海軍の安全上の規則で最後の着艦から経過日数が29日以内のためFCLPはしないが、CQは実施する必要がある」と説明があったという。

 FCLPは激しい騒音を伴うため、市は岩国基地での実施を認めていない。現在は硫黄島(東京都)で原則行われる。一方で今年5月や今月にはFCLPで使う着陸誘導装置を滑走路脇に置いて艦載機が離着陸を繰り返す様子も目撃されており、市民団体や市議会の一部からは「事実上のFCLPではないか」との指摘もある。(松本恭治)

(2019年9月14日朝刊掲載)

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