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「音規制するべき」 33% 平和記念式典 広島市が参列者調査

 広島市が8月6日に開く平和記念式典の際、デモの拡声器による音の規制を検討していることに関連し、ことしの参列者を対象にしたアンケートで、条例などで規制するべきだと答えた人は約33%だったことが14日、分かった。一方、関係者と話し合いを続けるべきだとした人が約43%と最多だった。市は結果を踏まえ、来年の被爆75年の式典に向けた対応策について、年内に方向性を示す考えでいる。

 アンケートは中区の平和記念公園であった式典に参列した約4千人に実施し、1098人が回答した。音への対応を尋ねたところ、「今後も関係者に対する要請や話し合いを続けるべきだ」と慎重な姿勢を示したのは469人(42・7%)で最多。「条例などで音量を規制する措置を講ずるべきだ」を選んだ359人(32・7%)が続いた。

 式典中に「式典の運営に関係ない音が聞こえた」と答えたのは77・7%の853人で、このうち「式典への悪影響がある」と答えた人は58・9%の502人だった。

 式典の際のデモを巡っては、反核・反戦などを訴える複数の団体が例年、原爆ドームや周辺で集会やデモを実施。市は式典の厳粛な環境を保つため、デモや集会をする人に対して拡声器の使用を制限する条例の制定などを視野に入れる。

 市は昨年12月には、市民3千人を対象に郵送でアンケートを実施。「拡声器の音を放置することは多くの方の心情を害する」などの見解を示した上で意見を尋ねたところ、過去に式典に参列またはテレビなどで視聴したことのある1090人のうち、69・1%は「条例を定めて規制するべきだ」と答えた。一方、被爆者団体などの中には、「表現の自由」を侵害する懸念から条例制定に慎重な意見もある。(加納亜弥)

(2019年9月15日朝刊掲載)

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