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福屋90周年催しに列 八丁堀本店 被爆外壁を公開

 百貨店の福屋(広島市中区)は1日、創業90年を迎えた。八丁堀本店(同)の正面玄関を「店花」のカーネーションで飾り、午前10時の開店前に並んだ約500人に和菓子の記念品を手渡した。

 商品を入れる紙袋もカーネーション柄を用意した。エスカレーター近くの壁には、被爆から9年後の全館復旧時の外観など、90年前からの市中心部の変遷を示す写真を掲げた。6階の書籍売り場では屋上にある福屋稲荷神社の金文字を使った御朱印を受け付けた。

 東館1階では、被爆した外壁のタイルを初めて一般公開する展示を始めた。

 中区舟入町付近で被爆した両親に連れられて幼少期から来店していた佐伯区の主婦畑本真由美さん(65)は「福屋は広島の平和の象徴。100周年の日も家族で来られる平和な世の中であってほしい」と話した。

 福屋は1929年に広島で初めての百貨店として、現在の八丁堀本店の北側で開店。38年に現在地に新店舗が完成したが、被爆で従業員31人が犠牲になり、建物も焼失した。46年2月に部分営業を再開。54年12月に全館復旧した。(松本真由子)

(2019年10月2日朝刊掲載)

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