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島根・鳥取県が緊急会議 北朝鮮ミサイル 漁業者に不安も

 北朝鮮が2日朝に発射した弾道ミサイルが島根県沖の排他的経済水域(EEZ)に落下したとみられるのを受け島根、鳥取県は同日、緊急の連絡会議を開いた。被害はなく、引き続き情報収集に努めることを確認した。中国地方では他3県を含め目立った影響はなかったが、漁業関係者からは不安の声が上がる。

 島根県は危機管理連絡会議を県庁で開き、防災部の山口和志部長や各課の課長たち計25人が出席。県内関係の船舶や中国電力島根原発(松江市鹿島町)に影響はなく、隠岐汽船(隠岐の島町)も通常通り運航しているなどと報告があった。

 報道陣の取材に丸山達也知事は「北朝鮮への毅然(きぜん)とした対応や関係国との連携など、政府には再発防止へ最大限努めてもらいたい」と求めた。  一方、隠岐の島町で漁業を営む佃諭さん(73)は「漁業者の安全に関わる。とんでもない」と憤った。

 鳥取県庁での連絡会議には、県警や自衛隊を含む約30人が出席。日本海で操業するベニズワイガニ漁の漁船など県関係の船舶の安全を確認したと報告があり、県民の安全安心の確保を図ることを申し合わせた。

 平井伸治知事は「言語道断であり、北朝鮮に厳しく抗議する」と強調。米子市の松本京子さん=1977年失踪、当時(29)=たちが被害者となった拉致問題への影響を懸念し「北朝鮮がやるべきなのは、緊張を高めることではなく、拉致問題解決だ。政府にも働き掛けていきたい」と述べた。

 広島県には2日午前9時17分、EEZに落下したとみられるとのファクスが、総務省消防庁経由で届いた。県内の23市町の防災担当部署にファクスと電子メールで情報を送った。

 山口県は、日本海側で操業中の漁船や外洋航路を行き交う船舶、大津緑洋高(長門市)の実習船の安否を確かめた。被害は確認されなかった。岡山県によると、同県内で影響はないという。

(2019年10月3日朝刊掲載)

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