×

ニュース

被爆外壁 取り付け 広島アンデルセン 新店舗東側に

 広島市中区の本通り商店街で建て替え中の広島アンデルセンで3日、旧店舗から切り出した被爆外壁を取り付ける作業があった。9時間がかりでクレーンも使い、新店舗の東側2階に固定した。

 旧店舗の旧館2階にあった約50平方メートルの壁を、事前に大小10個に分割して補強した上で作業した。最大の部分は縦3・5メートル、横1・5メートルで重さ4トンあり、クレーンでつり上げ、ゆっくりと所定の場所に運んだ。5、6人の作業員が声を掛け合いながら位置を確認し、慎重に据え付けた。

 新店舗は鉄筋5階建て延べ約3400平方メートル。1階はパン売り場、2階はレストランになる。結婚式や同窓会ができる部屋も備える。南側の屋外には憩いのスペース「ヒュッゲパーク」を設ける。2020年8月のオープンを目指す。

 旧店舗は被爆当時、帝国銀行広島支店として使われていた。アンデルセングループは増改築しながら利用してきたが、耐震性の問題から建て替えを決めた。市は新店舗も被爆建物の登録を続ける。

 持ち株会社のアンデルセン・パン生活文化研究所(広島市中区)は「被爆建物としての歴史的意義を次世代に受け継いでいきたい」としている。(山川文音)

(2019年10月4日朝刊掲載)

年別アーカイブ