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被爆日用品 3D映像化 米アーティストら一部上映へ 22日から「ゼロプロジェクト広島」

 原爆資料館(広島市中区)が所蔵する被爆資料をあらゆる角度から撮影し、最新の3D映像として仕上げる作業に米国のアーティスト、キャノン・ハーシーさんたちが取り組んでいる。完成した映像の一部を、22日から11月2日まで旧日本銀行広島支店で主催する平和イベント「ゼロプロジェクト広島」で随時上映する。

 高熱で溶けて変形した瓶のふたの塊や化粧瓶、茶わんなど10点を同館の収蔵庫で撮影。学芸員に被爆資料を少しずつ動かしてもらいながら、横浜市在住のアーティスト永田康祐さん(29)が60~80カットをデジタルカメラでこま撮りした。

 画像は専用ソフトで編集し、立体感ある映像に合成する。「熱線で溶けた際にできた気泡などのディテールも伝わるようにしたい」と永田さん。来年4、5月にニューヨークで開かれる核拡散防止条約(NPT)再検討会議の期間中、現地でも上映する予定だ。

 ハーシーさんは「なじみのある日用品の3D映像だと、70年以上前の被害が若い世代にも伝わりやすいだろう。想像力に訴えることができる」と強調。加藤秀一副館長は「3D映像を見た人の反響を踏まえ、今後の活用策を考えたい」としている。(桑島美帆)

(2019年10月21日朝刊掲載)

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