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進まぬ核廃絶に危機感 東京 平和首長国内会議が開幕

 平和首長会議(会長・松井一実広島市長)の国内加盟都市会議総会が24日、東京都国立市で2日間の日程で始まった。松井市長はあいさつで、核兵器廃絶が進まない国際情勢への危機感を強調。自治体が恒久平和を願う声を上げ続け、国家の行動を促す環境をつくる大切さを訴えた。

 初日は約90自治体の首長や担当者たち約160人が参加。松井市長は米ロ間の中距離核戦力(INF)廃棄条約の失効などに触れ、来春に5年に1度の再検討会議がある核拡散防止条約(NPT)も「核廃絶の停滞で実効性が危ぶまれる」と指摘した。市民に近い自治体の役割として、「原爆の惨禍をより広く知ってもらい、平和への願いを市民社会の総意にすることが重要になる」と述べた。

 国立市の永見理夫市長は平和なまちづくり基本条例や「平和の日」の制定などの取り組みを報告。自治体の不断の努力が、人類の争いを回避することにつながると訴えた。続いて、市内在住の被爆者や東京大空襲の体験者から記憶を受け継いで語る「伝承者」の講話や、平和をテーマにした合唱組曲の披露があった。

 国内加盟都市は1日時点で1732市区町村で、総会は9回目となる。(明知隼二)

(2019年10月25日朝刊掲載)

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