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黒い雨の状況 原告3人証言 広島地裁口頭弁論

 原爆投下後に「黒い雨」などを浴びたのに被爆者健康手帳などの交付申請を却下したのは違法として、広島市や広島県安芸太田町などの男女計85人(うち8人は死亡)が市と県に却下処分の取り消しを求めた訴訟の口頭弁論が30日、広島地裁であった。原告3人の尋問があり、黒い雨が降った当時の状況を証言した。

 原爆投下当時4歳だった高東征二さん(78)は、観音村(現佐伯区)の自宅で閃光(せんこう)を目にした。庭に出ると空が薄暗くなり、黒い灰などが降ってきたとし「脇の下などのリンパ節が腫れて3度手術し、今年は高血圧性心疾患と診断された。一刻も早く援護対象区域の拡大を」と訴えた。被告側の反対尋問で黒い雨が降ったかどうか問われると「記憶にないが降ったと思う」と答えた。

 本人尋問はこの日で終了した。年内に双方が最終準備書面を出し、来年1月20日の次回口頭弁論で結審する予定。

(2019年10月31日朝刊掲載)

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