×

ニュース

[法王 被爆地へ] 論文や報道基に反核の思い共有 中区で若者ら勉強会

 ローマ法王フランシスコの広島訪問を前に、訪問の意義や核兵器廃絶を巡る国際情勢への影響などについて学ぶ勉強会が、広島市中区のカフェ「ハチドリ舎」であった。広島の若者たちでつくるグループ「核政策を知りたい広島若者有権者の会」(カクワカ広島)が企画した。

 同会の田中美穂代表(25)=西区=が、専門家の論文や新聞記事を基に、核兵器廃絶を強く訴えてきた法王の発言などを紹介した。「法王は、核兵器のある現状を『終末的』とまで踏み込んで訴えている。今まで以上に発信できるよう、法王の思いを強く支持するとの手紙を書いて届けたい」と語った。

 法王フランシスコと同じイエズス会の神学生で広島学院中・高常勤講師の森晃太郎さん(33)は、法王が母国アルゼンチンの軍事独裁政権下で人々を救うために苦悩を重ねたエピソードを披露。「苦しみの中に生きた法王が、被爆地広島の空気を感じた上でどんな言葉を発するか注目したい」と期待を込めた。

 勉強会は16日にあり、同会のメンバーや市民たち約15人が参加した。西区の会社員広瀬遥さん(25)は「法王が被爆者たちの話を直接聞く意義深さが伝わってきた」と話していた。(宮野史康)

(2019年11月19日朝刊掲載)

年別アーカイブ