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米軍機騒音 発生16.8%増 4~9月 艦載機移転完了前の倍

 広島県は19日、国が4~9月に県内6地点で測定した米軍機とみられる騒音の発生回数をまとめた。「騒がしい街頭」に相当する70デシベル以上は3080回で、2018年の同時期と比べて16・8%増加。米軍岩国基地(岩国市)への空母艦載機移転が完了する前の17年同時期比では倍増した。県は、県民生活への影響が強まっているとみている。

 米軍機の飛行実態をつかむために中国四国防衛局(広島市中区)が県内に設置している騒音測定器のうち、18年3月末の移転完了前からデータのある3市1町の計6地点の記録について、県が集計した。

 6地点別でみると、米軍機の飛行ルート直下にある大竹市阿多田島が1843回と全体の6割を占めた。米軍の訓練空域「エリア567」にかかる北広島町西八幡原が520回で続く。

 18年同時期を上回ったのは4地点で、伸び率トップは北広島町西八幡原の52・0%増だった。その後は廿日市市八坂が40・7%増、廿日市市宮島が14・2%増、大竹市阿多田島が9・3%増と続いた。減少したのは2地点で、江田島市沖美が34・1%減、大竹市西栄が15・1%減だった。

 6地点の4~9月の合計は、17年が1509回、18年が2636回だった。県国際課は「騒音回数は空母艦載機の移転完了後に急増し、その後も増加傾向にある。県民の生活への悪影響を裏付けている」と説明。低空飛行訓練の中止などを今後も国などに要望する。

 米軍機とみられる低空飛行の延べ目撃件数は4~9月に837件と、18年同時期の1011件を17・2%下回った。市町別は北広島町が629件で最も多く、大竹市72件、広島市41件、三次市29件、廿日市市28件などと続いた。日米合意で「低空飛行訓練を、必要不可欠なものに限定する」としている土日祝日は19件だった。(村田拓也)

(2019年11月20日朝刊掲載)

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