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永井隆記念館 着工 雲南市建て替え 21年4月開館

 島根県雲南市出身で、長崎で自らも被爆しながら救護に当たった医師永井隆博士(1908~51年)の業績やゆかりの品を紹介する同市三刀屋町の永井隆記念館の建て替えが始まった。完成から半世紀近くなり老朽化が進み、市が昨年5月に閉館し、解体。新記念館の完成は2020年9月末で、21年4月開館を予定する。

 市教委によると、新たな記念館は鉄骨平屋631平方メートルで、旧館に比べ約1・8倍広い。展示室には、博士の業績をたどる年表や、親族や知人に送った手紙などが並び、小学生まで過ごした郷里とのつながりを紹介する。博士が戦後、原爆に遭った子どもたちの学習の場にと設けた図書室を引き続き配置。児童書など約8千冊を所蔵する。

 約2倍の広さとなる図書室には、キッズスペースや学習スペースを新たに設けて地域の子どもたちが利用しやすい環境を整える。駐車場の一角には、恒久平和を願うシンボルとして「平和の鐘」を建立する。建設費は3億9400万円。

 記念館は、旧三刀屋町が平和の大切さを訴え続けた永井博士を顕彰するため1970年に完成させた。藤原重信館長(61)は「これからも博士の考えを学び、平和について考える場所にしたい」と強調している。(高橋良輔)

(2019年11月22日朝刊掲載)

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