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強い勇気もらった 湯崎広島知事 ヒロシマ発信期待 松井広島市長

 広島県の湯崎英彦知事と広島市の松井一実市長は24日、「平和のための集い」があった平和記念公園(中区)で教皇を出迎え、集いに出席した。教皇に訪問を直接要請するなど歓迎の機運を高めてきた2人。教皇のメッセージに聞き入り、「広島の反戦、平和の訴えを世界に広める追い風になる」と力を込めた。

 車から降り立った教皇を出迎えた2人は笑顔で握手を求め、歓迎の言葉を述べた。集いの後、報道陣に松井市長は「教皇からは『広島に来られてうれしい』と喜びの声があった」と紹介。「教皇のメッセージにより、広島が平和を象徴する都市だと改めて世界に広まった。各国のリーダーたちが広島に来て、ヒロシマの記憶を知るきっかけにしてほしい」と期待した。

 松井市長は2017年11月に、湯崎知事は17年5月にそれぞれバチカンの一般謁見(えっけん)に参列し、広島訪問を要請。それぞれ核兵器廃絶への取り組みも説明した。湯崎知事はこの日、教皇から「(首長として)初めて広島訪問を呼び掛けてくれた」と声を掛けられたという。

 湯崎知事は「教皇は核兵器を犯罪として断罪し、核抑止力を強く否定した。核兵器廃絶へ、全ての国の人が力を合わせないといけないという力強いメッセージだった」。来年の被爆75年へ向け「廃絶への取り組みを進める強い勇気を与えてもらった」と語った。(木原由維、高本友子)

(2019年11月25日朝刊掲載)

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