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若き大使 思い紡ぐ ローマ教皇 広島訪問 地元高校生 集いに参列

 ローマ教皇(法王)フランシスコの核兵器廃絶へのメッセージを、若者もしっかりと受け取った。核兵器廃絶を願って活動する県内の「高校生平和大使」の3人は24日、広島市中区の平和記念公園で開かれた「平和のための集い」に参列した。「記憶し、共に歩み、守ること。この三つには平和となる真の道を切り開く力がある」―。教皇の息遣いに触れ、胸がいっぱいになった。(木下順平、中川雅晴、和泉恵太)

 集いでは教皇がキャンドルに火をともし、暗がりがほのかに照らされた。広島大付属高2年松田小春さん(17)=南区=は、種火となるろうそくの火を教皇に差し出す役目を担った。緊張したが、教皇のまなざしが優しそうで次第に落ち着いたという。

 松田さんは6月、長崎県内の平和大使とバチカンのサンピエトロ広場での一般謁見(えっけん)に参列。教皇に広島と長崎への訪問をじかにお願いした。「私たちの思いが訪問への後押しになったとすればうれしい。若者へのメッセージも多く、今後の活動の励みになった」と笑顔を見せた。

 基町高2年牟田悠一郎さん(17)=東区=と県立広島高2年北畑希実さん(17)=尾道市=も、集いでは平和の鐘を突く大役を果たした。牟田さんは「われわれの活動は微力かもしれないけど、無力じゃない。世界があらためて平和を考え直す貴重な機会になった」。北畑さんは「教皇は世界中に強い影響力を持つ。私たちも責任ある行動を取らないと」と今後の活動への意気込みを誓った。

(2019年11月25日朝刊掲載)

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