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原爆惨禍伝える遺品カレンダー 広島平和教育研究所

 県内の教職員たちでつくる広島平和教育研究所(広島市東区)は2020年度版の「ヒロシマ平和カレンダー」を作製した。原爆資料館(中区)が所蔵する原爆犠牲者の遺品の写真などを載せ、平和の大切さを伝えている。

 B4判。原爆で黒焦げになったご飯やおかずが残った弁当箱、焼け焦げ朽ちた三輪車、ぼろぼろになった女学生の夏服…。写真は15点を載せ、亡くなった子どもの遺品や原爆ドームなどを解説文付きで紹介した。原爆の子の像のモデルとなった佐々木禎子さんの折り鶴、黒い雨も説明した。

 研究所は1982年度からカレンダーを作製。被爆者の高齢化で次代への継承が課題となる中、惨禍を伝える代表的な「実物」にスポットを当てたという。同研究所の浜野梢副理事長(50)は「学校や家庭で平和について考える材料にしてほしい」と話している。

 2800部を印刷。希望する県内の学校には無料で配り、一般には1部千円(送料別)で販売する。発行・発売は広島県教育用品☎082(264)1750。(久保田剛)

(2019年12月12日朝刊掲載)

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