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「自制して」「日本が仲介役を」 中国地方 米・イラン衝突に懸念の声

 イランがイラク国内の米軍駐留基地を報復攻撃した8日、中国地方各地でも米国とイランの全面衝突を懸念する声が相次いだ。「今こそ米とイランの対立を緩和する仲介役に」と、日本政府の働きに期待する声も上がった。

 「戦争が始まってしまうのかと思った」。広島市西区の会社員平本将史さん(27)は報復攻撃の一報に、そんな不安に駆られたという。「両国はとにかく自制してほしい」

 市民団体「核兵器廃絶をめざすヒロシマの会」共同代表の森滝春子さん(80)=佐伯区=は「事態のエスカレートは許さないと、国際社会が一致して声を上げていかないと」と語気を強めた。

 2001年の米中枢同時テロ時、厳重な警戒態勢が敷かれた岩国市の米軍岩国基地。離着陸する米海軍の空母艦載機はこの日、通常訓練とみられる飛行だった。基地のそばに住む末岡美智子さん(78)=同市旭町=は「事態が悪化すれば、ここらも危険になるのでは」と不安そうに語った。

 昨年12月に閣議決定された中東への海上自衛隊派遣について、日本政府は現時点で方針変更しないとした。海自呉基地のある呉市の伊藤英敏さん(76)は「日本政府は派遣を保留し、情勢を見極めた上で最終判断すべきだ」と強調した。

 「このままでは景気悪化につながるなど経済的な打撃も大きい」と福山市の公務員松田和明さん(52)。「戦争は絶対に駄目。日本政府は双方と良好な立場を生かし、仲介役を担ってほしい」と求めた。

(2020年1月9日朝刊掲載)

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