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原爆資料館 3日間閉館 来年2月 一部展示替え

 原爆資料館(広島市中区)は2021年2月24~26日の3日間、展示する遺品の一部を入れ替えるために閉館することを明らかにした。昨年4月の本館リニューアル以来、全館を閉じての本格的な遺品の入れ替えは初めて。21日、資料館の展示や資料保存について助言する有識者会議の初会合で案を示し、了承された。

 本館展示のうち、被爆死した学徒23人の着衣などを集合展示する「人への被害」と、一人一人の遺品や遺影に向き合う「魂の叫び」の2コーナーが対象。長期の展示による資料の傷みを防ぎ、収蔵庫に眠る多くの資料を生かすのが狙い。今後も原則1年ごとに展示を更新していく。

 有識者会議(委員長・大井健次広島市立大名誉教授)には、考古学や平和学などを専門とする委員7人が出席。展示替えのための閉館については「資料保存のために定期的な更新は重要だ」「国内外から訪れる人に早めの周知を」などの意見が出た。

 資料館からはこのほか、展示の温度や湿度の管理、被爆資料のレプリカ製作、若者による清掃体験など、保存や継承の取り組みを説明。委員からは、地下収蔵庫の水害への備えを検討するよう求める意見が出た。

 有識者会議は、本館リニューアルについて8年半にわたり議論した展示検討委員会(今中亘委員長)が、今後も助言のための外部組織が必要として設置を提言していた。(明知隼二)

 大井委員長以外の委員は次の皆さん。

 久保田明子・広島大原爆放射線医科学研究所助教▽久留島浩・国立歴史民俗博物館館長▽高妻洋成・奈良文化財研究所埋蔵文化財センター長▽ファン・デル・ドゥース瑠璃・広島大平和センター准教授▽小泉崇・広島平和文化センター理事長【臨時委員】今中亘・元原爆資料館展示検討委員会委員長

(2020年2月22日朝刊掲載)

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