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「被服支廠の解体 撤回を」 反対署名6430筆届ける 県に市民団体

 広島市内最大級の被爆建物「旧陸軍被服支廠(ししょう)」(南区)で、市民団体「旧被服支廠の保全を願う懇談会」が解体に反対する6430筆の署名を集め、10日、県へ届けた。県が「2棟解体、1棟の外観保存」の2020年度の着手の先送りを決めた中、署名活動に一区切りをつけ、今後は募金活動に力を入れる。

 中西巌代表(90)=呉市安浦町=たち6人が県庁で、県財産管理課の足立太輝課長に署名簿を提出。全棟の保存と利活用に向け「国、県、広島市で一緒に考えてほしい」「文化財指定を応援したい」などと訴えた。

 湯崎英彦知事宛ての署名は、1月分と合わせて計9130筆になった。足立課長は20年度当初予算案で解体経費の計上を見送った一方、壁の補強や利活用検討の費用を盛り込んだ経緯を説明し、理解を求めた。

 提出後、中西代表は「多くの人が全棟保存に賛同してくれてありがたい。県は解体を撤回すると信じている」と強調した。全棟保存には財源が課題とみて、募金活動の具体化を進める。(岡田浩平)

(2020年3月11日朝刊掲載)

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