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神明正明さん死去 大久野島毒ガス障害者対策連絡協議会副会長 88歳 関係者から惜しむ声

 大久野島毒ガス障害者対策連絡協議会(竹原市)の副会長を10年余り務めた神明正明(しんめい・まさあき)さん(三原市)が9日、88歳で死去した。同島にあった旧日本陸軍の毒ガス製造工場で従事した被害者たちからは惜しむ声が上がった。

 同協議会は、工場内の所属や現住所ごとの8団体と、竹原市など8市1町で構成。動員学徒として従事した神明さんは国への要望取りまとめなどに当たった。構成団体の大久野島毒ガス傷害者互助会(竹原市)の伊勢本学会長(84)は「実直で柔らかな人柄が皆を納得させた」と振り返る。

 役員の高齢化などで8団体の統合が検討された2016年、神明さんは「団体ごとの会員のつながりを守るため統合は避けたい」と主張。結局、統合は見送られ、事務作業のみを一本化することになった。

 同協議会会長の今栄敏彦竹原市長は「温厚な人当たりで各団体をまとめていただいた。残念だ」、被害者の証言活動に取り組む同市の市民団体「毒ガス島歴史研究所」の山内正之事務局長(75)は「島の歴史を後世に伝えるため尽力した人だった」としのんだ。(山田祐)

(2020年3月12日朝刊掲載)

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