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8・6デモ音量に配慮 実施団体、広島市に表明

 広島市が8月6日の平和記念式典の静けさを保つために制定を検討しているデモ拡声器の音量の規制条例で、デモの実施団体「8・6ヒロシマ大行動実行委員会」は24日、式典中は市が示した音量内で活動する考えを示した。中区であった市との協議で表明した。

 実行委は今月、拡声器を使って式典会場への音の届き方を調べ、被爆者団体とも協議したと報告。中島健共同代表が「多くの人との議論も踏まえて決めた」と説明した。市市民活動推進課の山根孝幸課長は回答を一定に評価すると伝えた。

 市は2月の協議で、式典参列者が許容できる基準として、午前8~9時に拡声器から10メートル地点の音量を85デシベル以下とする案を示していた。中島共同代表は「市の要請に応じたのではない」との立場を強調した。

 条例制定については、山根課長が「第一の手段ではないが、検討を止めたわけではない」と指摘。今年の式典での音量測定と参列者へのアンケートなどを参考に方針を決めるとした。

 市は2018年の市議会一般質問での指摘などをきっかけに音量規制の検討をスタート。昨年12月には被爆者団体などから条例への慎重論が強まり、話し合いでの解決を優先する姿勢を取っている。(新山創)

(2020年3月25日朝刊掲載)

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