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高橋昭博さんの足跡整理 11年死去 原爆資料館元館長 広島県内の学生らボランティア

 広島県内の大学生と大学院生が、原爆資料館(広島市中区)元館長で被爆者の高橋昭博さん(2011年に80歳で死去)の資料整理に取り組んでいる。資料の保存方法を学びながら、平和に対する意識の高まりにつなげてもらおうと、同館が参加を呼び掛けた。

 文書保存の専門家を目指している広島大大学院文学研究科1年、宮迫陽奈さん(25)と、被爆体験の継承活動に関心を持つ広島市立大国際学部2年の池田千夏さん(20)が24日、学芸員と作業した。高橋さんの被爆証言を聞いた人から届いた礼状や、交流があった人と交わしたはがきなどを差出人やテーマごとに分類。劣化を防ぐため中性紙の封筒に入れていった。

 写真などを含めた関連資料は段ボール26箱分あり、妻史絵さんから16年に寄贈された。同館が17年から整理を始め、学生たちは月1回程度、作業に加わっている。

 当初から参加する宮迫さんは「地道な作業でも、貴重な資料の保存に必要な過程だと分かった」。今回で4回目の池田さんは「遺品の重みが伝わってくる」と話していた。

 今後、目録を作成して一般公開できるようにする。同館は「原爆資料館に寄せられる資料の背景や、そこで働く人の思いを知ってもらう機会になれば」としている。(新山京子)

(2020年3月30日朝刊掲載)

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