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「原爆の絵碑」 移設終え除幕 広島市中区のスーパー

 スーパーのフジ(松山市)が運営するフジグラン広島(広島市中区)で3日、「被爆者が描いた原爆の絵を街角に返す会」が制作した「原爆の絵碑」の除幕式があった。近くの富士見町一帯の再開発に伴い撤去された絵が、1年半ぶりに人々の前に姿を現した。

 移設したのは正面玄関。被爆者たちが描いた3枚を陶板にして縦70センチ、横100センチの黒御影石に貼り付けた。除幕式には約20人が参加。同会の岡村信秀会長が「多くの人の目に留まる場所に移りうれしい」とあいさつ。フジの尾崎英雄会長や中央の1枚を描いた米田勁草さん(83)=南区=たち4人で除幕した。原爆で弟や祖父母を失った米田さんは焦土に咲くカンナの花に希望を込めた。

 同会は市内の学校や寺など10カ所に同様の絵碑を置いている。民間店舗が受け入れるのは初めて。尾崎会長は「地域に根付く店として平和の尊さを発信できれば」と話していた。

(2020年4月4日朝刊掲載)

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