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平和首長会議 総会延期 広島開催 来年8月で調整

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、平和首長会議(会長・松井一実広島市長)は24日、8月3~6日に広島市で開催予定だった総会を延期すると発表した。原則として4年に1回開く総会の先送りは初めて。今後は来年8月の開催に向けて調整するとした。

 今回の総会では、2020年までの核兵器廃絶を掲げた行動指針「2020ビジョン」が12月末で終わるのを見据え、次のビジョンをまとめる予定だったが、先延ばしする。今月中旬に役員都市間で協議し、新型コロナの「早期の終息は困難」として延期を決めた。

 03年に作成した「2020ビジョン」は、20年までの「全ての核兵器の解体」などを目標とする。松井市長は昨年11月の記者会見で、この目標について「達成不可能と見込まれる」と説明。次のビジョンでは目標年限を明示せず、廃絶に向けた環境づくりに注力するなどの方向性を示している。

 国連や各国政府への要請、加盟都市の拡大などの具体策をまとめた20年までの行動計画は、期限を暫定的に来年夏まで延ばす。

 平和首長会議は今月1日時点で、世界163カ国・地域の7902都市が加盟している。総会では加盟都市が核兵器廃絶に向けた行動計画を議論するほか、アピール文の採択もある。近年は広島市と長崎市が持ち回りで開き、前回は17年8月に長崎市であった。(明知隼二)

(2020年4月25日朝刊掲載)

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