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式典 被爆者や遺族優先 広島8・6 資料館 来月1日再開へ

 広島市の松井一実市長は25日、新型コロナウイルスの感染防止で規模縮小を検討している平和記念式典で「被爆者や遺族は欠かせない」として、優先的に席を確保する考えを示した。5月中にもまとめる予定だった規模や内容などの具体案は、屋外イベントを巡る国の基準を参考にするため、判断を6月上旬に延ばす。

 8月6日に平和記念公園(中区)で営む式典には例年、約1万1500人が参列し、県内外から訪れる被爆者や遺族たちは約2千人を占める。松井市長は記者会見で「式典を縮小するとしても、慰霊を重視するため、被爆者や遺族を排除しないようにする」と述べ、被爆者たちの席は可能な限り用意すると強調した。

 政府による緊急事態宣言が全国で解除され、県境をまたいで移動できるようになれば、都道府県ごとの遺族代表や、国内駐在の各国大使たちを一定に招待できるとの認識も示した。

 政府は緊急事態宣言を解いた後、屋外で実施できるイベントの規模について、基準を新たに示す見込みだ。松井市長は「国の基準はベースにせざるを得ない。よく確認して6月上旬には判断したい」とした。

 臨時休館を続けている原爆資料館(中区)の再開時期は、6月1日になると見通した。緊急事態宣言の全面解除を条件としており、再開時には入館者数を制限するなど感染対策を強化する。(明知隼二)

(2020年5月26日朝刊掲載)

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