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舟入高で「平和」 ドイツ記者取材 被爆75年広島を特集

 ドイツ公共ラジオ放送の記者が、原爆の被害が大きかった広島市立第一高等女学校(市女)を前身とする中区の舟入高を訪れ、生徒を取材した。被爆75年を迎える広島を主なテーマに特集番組を制作するためで、広島の若者の戦争や平和に対する意識を探った。

 東アジア支局(東京)のカトリン・エアドマン支局長(49)が、通訳を介して2、3年生の6人を取材した。原爆資料館(中区)の見学や被爆者の体験聞き取りといった平和学習についてやりとりをした。

 「どうしたら世界平和に貢献できると思うか」「学んだことを海外に発信したいか」などと質問すると、生徒は「日本政府が非核化を引っ張るべきだ」「発信と同時に意見交換したい」と答えていた。

 生徒会の別の2、3年生4人は、ドイツの平和学習などを逆質問した。3年広川夏泉さん(17)は「ドイツは加害の歴史をしっかり学ぶと聞き、驚いた。今後は加害者の立場としての事実も学びたい」と話した。

 エアドマン支局長は「デリケートな問題について日本の若者の視点が学べ、貴重な体験となった。これらを発信することはメディアにとって大切だ」と振り返っていた。(寺本菜摘)

(2020年6月25日朝刊掲載)

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