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首相、被服支廠視察へ 8・6式典時 保存支援策検討か

 安倍晋三首相が8月6日に平和記念公園(広島市中区)で営まれる平和記念式典に参列し、広島市内最大級の被爆建物「旧陸軍被服支廠(ししょう)」(南区)を視察する意向であることが25日、分かった。原爆の悲惨さを伝える建物の現状を直接確かめ、保存に向けた支援策を検討する考えとみられる。

 自民党の「被爆者救済と核兵器廃絶推進議員連盟」会長の河村建夫元官房長官(山口3区)、代表世話人の寺田稔氏(広島5区)、事務局長の平口洋氏(広島2区)、小島敏文氏(比例中国)らがこの日、首相官邸を訪ね、西村明宏官房副長官と非公開で会談した。

 出席者によると、河村氏らが「首相に被服支廠を視察してほしい」と要請。西村氏は、首相が式典の開始前か終了後に視察の時間を設ける方向で調整していると話したという。加藤勝信厚生労働相(岡山5区)も同行する予定という。

 また河村氏らは、被服支廠の保存に広島県と連携して取り組むよう求める申し入れ書を西村氏に渡した。西村氏は「首相に伝える」と応じたという。

 首相は1月の衆院本会議と3月の参院本会議で、被服支廠の保存、活用について質問され、「被爆の実相を次世代に伝えるため、国としてしっかり対応する」と述べていた。

 広島市は新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、平和記念式典を例年の1割の最大880席に縮小する一方、首相や厚労相は例年通り招待する方針を示している。(河野揚)

(2020年6月26日朝刊掲載)

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