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平和公園で「消えた街」体験 レストハウス発着ツアー 旧中島地区に焦点

再現CG活用や黙とう

 広島市の被爆建物レストハウス(中区)を発着点に平和記念公園を巡るツアーが1日、始まった。原爆で壊滅し、公園になる前の旧中島地区の街並みや暮らしに焦点を当て、犠牲者に思いをはせる。参加者が平和について共に考える時間も含めた「体験型」が特徴だ。(新山京子)

 「この地区には約4400人が暮らしていたといわれています」。レストハウス前で、ガイドの山口晴希さん(27)が参加者3人に説明した。原爆ドームや原爆投下目標になった相生橋など9カ所を回る。

 被爆前の元安橋を再現した福山工業高(福山市)のCGの写真や、原爆ドームを背に撮影された家族写真見せながら解説。爆心地の方向を見て「あの日」を想像し、黙とうする時間も設ける。最後に参加者全員で「大切にしたいもの」を紙に書き出し、レストハウス2階の壁に貼る。

 堺市から参加した大学生森夏音さん(20)は「原爆投下前後の街について学ぶだけでなく、感想や考えを他の人と共有した時間は新鮮だった」と話した。

 ひろでん中国新聞旅行が主催し、元広島平和文化センター理事長のスティーブン・リーパーさんが設立したNPO法人ピースカルチャービレッジ(PCV、三次市)が企画・協力。日頃から平和活動に取り組んでいるPCVの20代のスタッフ4人が案内を担当する。

 所要約1時間20分で、定員は最大10人。毎日、英語が午前11時、日本語は午後2時から。12歳以上3千円、11歳以下2千円(6歳未満無料)。当日予約可。レストハウス観光案内☎082(247)6738。

(2020年7月2日朝刊掲載)

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