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原爆症訴訟 上告を断念 被爆者側 広島高裁判決確定へ

 被爆の影響で甲状腺機能低下症などを患っているのに原爆症と認めないのは不当として、被爆者11人が原爆症の認定申請の却下処分の取り消しなどを国に求めた訴訟で、原告側の弁護団は6日、5人を原爆症と認め、6人の請求を退けた広島高裁判決を受け入れ、上告しないことを決めた。国側も上告をしない方針で、上告期限を過ぎる7日に高裁判決が確定する見通し。

 訴訟は、病気が放射線に起因するかどうかなどが争点で、6月22日の高裁判決は5人について起因性などを認めて却下処分を取り消し、原爆症と認めた一方、残る6人の請求を退けた。

 この6人は広島市などに住む80、90代の男女。弁護団によると、高裁判決後、高齢で法廷闘争を続けるのは困難などとして上告を断念する意向を示したため、弁護団が上告の見送りを決めた。厚生労働省は中国新聞の取材に「関係省庁と協議し、(原爆症と認定された5人について)上告しないこととした」と答えた。(松本輝)

(2020年7月7日朝刊掲載)

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