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慰霊ルート 一方通行 8・6式典 感染対策 2時間設定

 広島市が新型コロナウイルス対策として8月6日の平和記念式典で実施する会場周辺の入場規制の概要が9日、分かった。規制の開始時間を例年と比べて1時間半早い午前5時ごろからとする一方、平和記念公園(中区)の原爆慰霊碑前へ進める一方通行のルートを約2時間設けて慰霊の時間を確保するのが柱となる。

 複数の関係者によると、慰霊のためのルートは、元安川沿いの東から慰霊碑前へ進み、慰霊碑西側で方向転換して北へ抜けるL字形とする。慰霊に訪れた人たちに一方通行で抜けてもらうことで、すれ違いなどによる混雑を抑え、人が滞留しにくくする。

 入場規制の範囲は、南北は元安橋と本川橋を結ぶ公園内の道路と平和大通り北側、東西は元安川と本川に挟まれた中州の大部分とする。例年と比べて東西を中心に大きく広げ、式典を近くで見守ろうとする人の密集や密接を避けるという。

 例年の入場規制は、式典開始(午前8時)の前の午前6時半に会場周辺で始まる。式典が終わるまで続くが、慰霊碑を訪れる人たちのため、南側の出入り口だけは午前7時半まで通過できるようにしていた。

 市は5月、被爆75年の節目を迎える今年の式典で、新型コロナの感染を防ぐために参列者席を例年の1割の最大880席にすると決定。密集を避けるため、会場周辺の入場規制の時間と範囲を広げる意向を示し、詳細を検討していた。(新山創)

(2020年7月10日朝刊掲載)

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