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浜井元市長の願い知る 学生ら展示会へ平和学習 復興期「平和都市広島」実現に尽力

 広島県内の大学生たちが、広島市長として被爆後の復興に取り組んだ故浜井信三さんの長男順三さん(84)=佐伯区=と会い、父への思いを聞いたり「平和都市広島」の原点について学んだりした。その内容を基に8月5日、平和記念公園(中区)で浜井さんに関する野外展示を開催する。

 中区の市民グループ「one dream(ワン・ドリーム)」(佐々木陽子代表理事)が元安川親水テラス付近で実施するイベントの一部。毎年平和コンサートを行っているが、今年は新型コロナウイルスの影響で変更を決めた。

 浜井さんは原爆投下から2年後の1947年、市長に就任。その年の「第1回平和祭」で「平和宣言」を読み上げた。広島平和記念都市建設法の実現や、平和記念公園の整備に力を尽くしたことで知られる。

 順三さんは参加した8人に「75年間草木も生えないと言われた廃虚から、必死に復興を遂げた人たちの努力を知ってほしい」と強調。第1回平和祭の平和宣言に込められた「原子力兵器は人類と共存できない」との思いを代弁した。

 当時の人々の思いを踏まえた上で、学生たちは自分たちがつくりたい広島と世界について書き、「浜井元市長への手紙」として展示する。市立大2年河本涼音さん(20)は「元市長の願いをくみとりながら、文面を考えたい」と話していた。

 展示は5日午後1~6時。荒天中止。市民約3千人がカードに書いた「未来に向けた自分の誓い」を折り紙とともに張り出す企画などもある。(山本祐司)

(2020年7月20日朝刊掲載)

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