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「広島の二人」出版報告 映画監督の保坂さん、知事に

 広島の原爆をテーマにした未発表の映画脚本を原案に、小説「広島の二人」を著した映画監督の保坂延彦さん(75)=東京都杉並区=が27日、広島県庁を訪れ、推薦文を書いた湯崎英彦知事に出版を報告した。「原爆、平和は、いろいろな表現で伝えられる」と語り、普遍的なテーマとして次代も扱われるよう願った。

 保坂さんは「1945年8月6日は忘れてはいけないテーマ。形になりほっとしている」と吐露。「時代や国籍を超えた人間愛の物語」と推した湯崎知事は「多くのみなさんにメッセージが伝わると思う」と喜んだ。

 終了後、保坂さんは「一方的に排除するのではなく真剣に話し合い、分かり合えば平和が生まれる」と作品に込めた思いを説明。映像作品化を期待した。

 小説は、亡き脚本家の菊島隆三さんから40年ほど前に託された同名の脚本を基に、捕虜の米兵と日本軍人の敵味方を超えた友情と、それを打ち砕いた戦争と原爆の悲劇を描く。22日に出版された。(岡田浩平)

(2020年7月28日朝刊掲載)

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