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ヒロシマ・ナガサキ ZERO PROJECT

被爆地発 平和アート 長崎から広島へ 構想練る 米ルポ「ヒロシマ」著者の孫ら

 被爆地で平和への願いを発信する芸術作品を作ろうと、日米、南アフリカの若者10人が11日、広島市で活動を始めた。被爆の惨状を世界に伝えたルポ「ヒロシマ」を著した米国人記者、故ジョン・ハーシーの孫で、米国在住の芸術家キャノン・ハーシーさん(39)たちによるワークショップの一環。17日、中区で完成作を披露する。

 参加者は19~25歳で、絵画や映像、写真などを学ぶ学生たち。初日は原爆慰霊碑(中区)を訪れた後、原爆資料館(同)を見学。被爆直後の市内の模型や「人影の石」の前で足を止め、作品の構想を練った。12日は被爆証言を聞く。

 8日に長崎市で活動を始め、この日、広島に移動した。展覧会は中区小町の妙慶院で開き、その後、東京や米ニューヨークでも予定する。

 ワークショップは昨年に続き2回目。キャノンさんは「若者がアートを世界に発信することでテロや紛争による憎しみの連鎖を断ち切るきっかけになれば」と語った。(長久豪佑)

(2016年7月12日朝刊掲載)