原爆症認定の松谷さん、大会で報告

'00/8/5

 原爆症の認定を国に求めた「長崎原爆松谷訴訟」の最高裁判決で 勝訴した松谷英子さん(58)=長崎市=が四日、広島市で開かれてい る原水協系の原水爆禁止二〇〇〇年世界大会に出席し、支援に感謝 するあいさつをした。

 松谷さんは大きな拍手がわく中、車いすで壇上に上がり、「夢に まで見た最高裁での勝訴をここで報告できることを大変うれしく思 います」と、三日に長崎市を通して受け取ったばかりの認定書の写 しを掲げた。

 提訴から十二年、認定申請からでは二十三年に及ぶ闘い。「すべ ての被爆者と核兵器廃絶を願う国民の勝利。しかし、厚生省からは 一言の謝罪もない。この司法判断をどう生かしていくのか、闘いは まだ終わったわけではありません」。認定を求めて訴訟を起こして いる被爆者が全国になお三人いることにも言及した。

 最高裁判決について弁護団の一人の中村照美弁護士(62)=長崎市 =は「国が機械的に原爆症の認定判断をすることに反省を促した。 被爆者に限らず、放射線被害が共通する核実験や原発事故の被曝 (ばく)者にとっても意義ある判決」と核被害者援護運動への弾み を期待していた。

【写真説明】認定書の写しを掲げて勝訴を報告する松谷さん(中央)=広島市中区の広島県立総合体育館


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