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被爆日系2世モデルに小説 広島で取材 '01/8/1

 日系米国人四世の作家ラーナ・レイコ・リズトさん(37)=ニュー ヨーク市在住=が、広島で被爆した日系二世の女性をモデルにした 小説を執筆するため、六月末から広島市で取材を進めている。「大 国のはざまで揺れた人の軌跡から、失われつつある日系人の歴史と 記憶を取り戻したい」と手掛かりを探している。

 小説では、日本で教育を受けて帰国した日系二世の夫に連れられ て、第二次世界大戦中に広島に来た女性の人生を描く。主人公は言 葉が分からず、生活になじめないまま離婚。そして被爆、終戦…。

 「家族にも国にも裏切られた特異な経験は、普通の人とは異なる 戦争観を生んだはず」とリズトさん。原爆投下前後を知る日系人 や、通信傍受などで軍に従事した人にも会いたい、と言う。

 リズトさんの祖父は広島県、祖母は福岡県出身の日系二世。一家 はコロラド州アマチの強制収容所に送られたが、家族が収容所につ いて話すことはなかった、という。

 初めて収容所の歴史と向き合ったのは、開設五十周年記念に各地 の日系人が収容所に集まった一九九二年。「説明板もセレモニーも なく、目の前に小さな十字架と無数の墓だけ。ここで大変なことが 起きたのだと衝撃を受けた」と振り返る。

 リズトさんは、日系人家族を描いた小説「WHY SHE LE FT US」を九九年に出版。多民族文化の理解につながる文学作 品に与えられる「全米書籍賞」を受賞した。連絡先は、電話082 (222)6103、ファックス082(222)6122。

【写真説明】「小説を書くことで、日系人の歴史を鮮明にしたい」と話すリズトさん


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