中国新聞地域ニュース
韓国人原爆犠牲者、32回目の慰霊祭 '01/8/6

 韓国人原爆犠牲者慰霊祭が五日、広島市中区の平和記念公園内に ある韓国人原爆犠牲者慰霊碑前であった。通算三十二回目、碑が公 園内に移設されてからは三回目。移設をきっかけに具体化していた 南北統一碑問題だが、四月に早期実現を目指し、関係者が確認書を 交わしただけで、それ以降動きはない。

 慰霊祭は、在日本大韓民国民団(民団)広島県地方本部(朴昭勝 団長)の主催で約百五十人が参列した。今年新たに判明した三人を 加えた二千五百八十八人の死没者名簿を奉納。在日韓国人のバイオ リニスト、丁讃宇さんの追悼演奏の後、参列者が次々に献花した。

 統一碑問題は九九年七月の慰霊碑移設後、民団県地方本部と在日 本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)広島県本部と広島市の三者で協議を 本格化。今年春にはデザイン案や碑文案などを絞り込んだ。

 ただ、公園内に現慰霊碑と統一碑の両方を認めるか、統一碑だけ なのかについて、公園管理者の市内部で調整がつかなかったことな どから、四月に三者で「早期実現に協力する」との確認書を交わす にとどまった。

 昨年の南北首脳会談の後、広島でも今年のひろしまフラワーフェ スティバルに初の統一チームで参加。五日の慰霊祭には、在日本朝 鮮人被爆者連絡協議会の李実根会長が初めて参列するなど、交流は 深まっている。

【写真説明】平和記念公園内に移設後3回目の慰霊祭で、慰霊碑に献花する参列者


MenuBack