中国新聞
第5回 国連軍縮京都会議
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核時代と同時テロ
(同 英文)

核時代 負の遺産

アフガン攻撃 米中枢同時テロ

2002/08/14
率直さ欠いた米政府批判
 
 京都で五回、通算十四回を重ねた今回の国連軍縮会議は、広島の平和祈念式の翌七日から長崎の平和祈念式の九日にかけ、三日間開かれた。

 その期間に開催することの意義を強調して持たれた会議のテーマは、昨年九月の米中枢同時テロが軍縮や世界にどのような影響を与えたかを分析し、国際テロにどう対処するかの一点に絞られた。テーマがその問題に集中したことは、昨年九月のテロ事件が国際社会に与えた衝撃の強さを物語っていたといえよう。

 会議では核物質の管理や核施設の安全性、小型武器やコンピューターによるサイバーテロ、南アジアや東南アジアへの影響、国連の対応―など、広範な問題が提起され、討議も活発に展開された。その意味で会議から学ぶことも多かった。

 しかし、核軍縮やテロ防止に国連の強化が盛んに指摘されながら、現在それを最も阻んでいると思える米国政府への批判は、非政府組織や学者ら以外あまり聞けなかった。個人資格とはいえ、参加者のほぼ半数は現役あるいは元外交官や国連機関の職員である。彼らの発言からは、広島市や長崎市の平和宣言に盛られた直截(さい)な米国政府の批判はなかなか出てこなかった。

 ところが公的な議論の場を離れたコーヒーブレイクなどでの席では、ミサイル防衛計画や小型核兵器の開発など米国の軍事・外交政策への非難、懸念の声を多く聞いた。広島市の平和宣言の米国政府批判も「もっともな批判」「よく言った」と好意的に受け止められていた。

 テロ事件を契機に核軍縮の歩みが一層後退しているときだけに、外交官らももう少し率直に意見を述べていたなら、いま世界の人々に伝えなければならないメッセージがより明確になっていただろう。その点が惜しまれてならない。

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