中国新聞
第5回 国連軍縮京都会議
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核時代と同時テロ
(同 英文)

核時代 負の遺産

アフガン攻撃 米中枢同時テロ

2002/08/14
猪口邦子氏(日本のジュネーブ軍縮会議大使)
テロ防止策
 貧困や抑圧など背景 国際社会で和解を促進

 
 昨年九月のテロ事件はその手段、犠牲者の数の多さ、世界で唯一の核超大国となった米国への攻撃だったことにおいて、世界中に衝撃を与えた。会議ではその重大さを深刻に受け止めながらも、国内や外国の勢力によって何十年もテロ対策に頭を悩ますインドやパキスタン、中東、アフリカ、中米などの事例が紹介された。

 そこでは今なお機関銃など小型武器がテロ行為に最も多く使用されており、「過去十年間で五百万人以上が犠牲になっている。小型武器の取り締まりなしにテロはなくならない」(堂之脇光朗外務省参与)との声が大勢を占めた。

 日本のジュネーブ軍縮会議大使の猪口邦子氏は、テロ行為に走る根底には「貧困をはじめ政治的・宗教的・人種的な抑圧に対する相手への憎しみがある。その憎しみ、抑圧を取り除くために国際社会が対立する双方の対話や和解を促進し、テロの根源を取り除かなければならない」とアピールした。

 同時に猪口氏は、核兵器をはじめ多国間での軍縮を進めることが「テロ防止への国際世論を喚起することにつながる」と持論を展開。「軍縮」「社会・経済開発」「民主主義の確立」「和解」―のプロセスが多様な形を取って進んでいくことの重要性を説いた。  
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